どーも、趣味ゲームのススメの「ススメ」です。
前口上
やいやい。
私は新卒入社した会社を7年ほど勤め、転職をした経験があります。
表向きの転職理由は「スタートアップに入社して自分をスキルを伸ばしたいぜ!」というような前向きな理由にしていましたが、実際のところは「業務内容と所属チームが合わなかった。同じチームのメンバーと一緒に仕事するのが辛過ぎた」というのが本当のところです。
チームのメンバーが嫌いだったというわけではなく、そのメンバーで仕事をすることが辛かったのです。
(また、何か書く機会があれば詳細を綴ろうと思います。)
そんなストレスに耐え切れなくなったのか、突然身体に蕁麻疹が出てくるようになり、自律神経障害で体調を崩し始め、そこから本格的に転職を考え始めたのですが、「あっ、俺は相当病んでいるんだ」と感じた瞬間がありました。
それは、バイオハザード7をプレイしているときに何も恐怖を感じなかった瞬間です。
私はホラーゲームが好きなので、幽霊、ゾンビ、サイコパスなどジャンルを問わずそれなりにプレイをします。
バイオハザードシリーズ、ダイイングライト、零シリーズ、サイコブレイクなど有名な作品はプレイ済みではあるのですが、決してホラーが得意というわけではありません。
好きだけど得意ではない。
でも好きだから、苦手だけどプレイせざるを得ない。
そのため、バイオハザード7は定期的に周回プレイをしていたのですが、プレイの度に目を細めながら音を絞ってプレイをしていたわけです。
しかし、蕁麻疹が出始めた時期にバイオハザード7をプレイしていたとき、恐怖を感じず淡々とマーガレットに火炎放射器をぶっ放していることに気づき、「あっ、俺は恐怖という人間にとって最も大事な危機管理能力が欠如するくらい病んでしまったのか」と自分の身体を心配するようになったというお話です。
そう。恐怖とは人間にとって必要不可欠な感情。
ホラーゲームはこの感情が失われていないかを確認するリトマス紙としての役割があります。
私はサイレントヒルfをプレイするときは常に目を細めていたので、精神は安定しているようでした。
退廃的で暴力的で悲劇的超えて残酷な差別的ゆえに反逆的なサイレントヒルf。
サイレントヒルfは発売前から
「このゲームには、性差別や児童虐待、いじめ、薬物による幻覚、拷問、強い暴力表現が含まれています。本作は1960年代を舞台としているため、当時の世相や慣習に基づいた表現となっており、制作会社や個人の価値観を反映したものではありません。ゲーム中に不快感を感じた場合は、いつでもプレイを中断し、休憩を取るか周りの人に相談してください。」
という注意書きが前面に出ていた作品ということもあり、ホラーゲームとしてどれほど恐い作品なのか、どれだけ衝撃的な内容なのかと注目をされていた作品だった。
実際、この通り。
全部盛り。
思わず目を背けたくなるような表現が多い。
腕を自ら切り落としたり、親友を手に掛けたりと、それはそれは残虐であり、暴力的なシーンのオンパレードである。
精神的に来るものもあるが、視覚的にダイレクトにキツイ表現も多い。
つまり、発売前から発表されていた注意喚起は紛うことない真実であり、決してオーバーな表現ではなかったのだ。
発売後には勝手に自分で配信者の実況プレイを見て、気分が悪くなったと言ってコナミにクレームを出していた激ヤバな野郎と出てきていたみたいだが、こんな常軌を逸したクレーマーが出るくらい本作の心を抉るような演出は素晴らしい。
逆に考えると、日常生活でここまでの恐怖を感じることもないため、非日常、フィクションを楽しむゲーム作品として完璧なのではないかと思う。
恐怖抜きにしてもアクションと謎解きが面白い
本作はただ怖いだけではない。
発売前に主人公の雛子が異形のバケモノと戦闘するシーンが公開された時に、「今度のサイレントヒルは主人公がヤーナムステップをするぞ!」というのが話題になった。
ヤーナムステップとはフロム・ソフトウェアのBloodborne内で操作キャラが回避などをするときに、素早く動くモーションを指す。
サイレントヒルシリーズは、重厚感のある操作性であったり、ねっとりとした恐怖感が特徴的な作品であったが、本作は少し毛色が違う。
主人公の雛子は鉄パイプ、バール、包丁などをブンブン振り回し、ジャスト回避で動きがスローに見えて、カウンターにて強攻撃をぶちかます戦闘狂(バーサーカー)である。
そのため、アクションゲームとしての操作性も良く、戦闘も楽しめる作品となっている。
そして、謎解きも非常に良い。
分かりやすいものから、メモを見ながらじっくり考えるものまで幅広い謎解きがあり、戦闘だけでなくて思考面でも楽しめる作品になっている。
精神的に抉られるホラー演出をベースとしつつも、戦闘要素で恐怖を打開できるという希望を持たせ、謎解きで真実にたどり着くという絶妙なバランスで構成された本作を「ホラーゲーム」という枠組みだけで語る作品で良いのだろうか。
加藤小夏さんのYouTubeはマーケティングとして機能している
鬼バズりしている雛子役の加藤小夏さん本人がサイレントヒルfをプレイする実況プレイ動画。
女性版狩野英孝などと言われており、大人気のコンテンツとなっている。
どういう経緯でゲーム初心者の加藤さんが実況配信をしたのかは定かではないが、これは発売後のゲーム作品の販売促進のマーケティングとして非常に効果があるのではないかと感じた。
- 加藤さんのファンがゲームを知る
- バズった動画を見に行った人がゲームを知る
- サイレントヒルfが気になっていた人がゲーム内容を知る
- 日本で人気のある動画を海外の人が知る
というように、サイレントヒルfを知らない人が知るきっかけとなり、サイレントヒルfが気になっていた人が深く知るきっかけとなったのはマーケティングとして成功なのではないか。
本作はマルチエンディングとなっており、一度クリアをしてから、他のエンディングの条件が開示され、そこからが真実を見つけていくという流れのため、加藤さんがエンディングに到達したとしても視聴者は「消化不良」となる可能性が高い。
加藤さんのファンでゲーム内容は全然興味がないという層も一定数いるだろうが、ゲーム内容が気になっていた人が「結局雛子ってどうなってるの?お姉ちゃんは何なの?」となり、サイレントヒルfを購入してくれる人もいるかもしれない。
サイレントヒルシリーズにハマり、サイレントヒル2も購入してくれるかもしれない。
ゲーム実況はネタバレとなるため賛否が分かれ、ゲーム実況動画だけ見てレビューを書くようなならず者、大うつけ者も出てきてしまっている現代ではあるが、加藤さんのYouTubeを見てゲーム実況の良さを改めて感じた。
こういう良いニュースばかりならいいのにな。
余談〜ホラーゲームのコスチューム変更はマストだろ〜
サイレントヒルfは主人公雛子にウサギの耳を付けたり、いわゆるギャグ的な要素を出すことができる。
先に言っておくが、本作の恐怖を雛子のウサ耳だけで緩和できるわけがない。
ウサ耳があろうがなかろうが怖いものは怖い。
しかし、私はこういうホラーゲームにちょっとしたギャグエッセンス、エロエッセンスを入れることは非常に大切なように感じている。
零シリーズをプレイしている中で、あまりに怖すぎて心が折れそうになる瞬間が何回もあったが、そんな私を助けてくれたのは主人公の水着コスチュームであり、巫女コスチュームである。
ホラーゲームにはギャグもエロも欲しい。
そうしないと心が折れてしまう。
私はそう強く感じながら、雛子に鉄パイプを振らせたのである。

